臨床で困らない歯内療法の基礎
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第4章 根管形態,根管上部形成,根管形成で,根管中央部までは容易に挿入できる.GGD使用前にファイルを根尖部まで入れたり穿通させたりする必要はない.表4-3に#35KファイルとGGDの挿入深さと引き抜く方向を示す.GGDはそれぞれ20,000〜40,000rpmくらいの回転数で使用する.#1#6#5#4#3#2図4-20 ゲーツグリッデンドリルの種類.GGD#3(直径0.9mm)GGD#4(直径1.1mm)GGD#5(直径1.3mm)刃部の根元が少し太くなる.挿入深さは#2より歯冠側で,挿入方向は#2と同じである.しかし,引き抜くときに少し根管の外湾側を削る.この操作は2,3回行う.引き抜くときに削るのがポイント.矢印の部分で削る.GGDは入れるときに削るのではなく,引き抜くときに削る.GGDに押し込む力をかけると折れやすいが,引っ張る力であれば折れない.挿入方向と大きく異なる方向に引き抜くと折れる.GGD#3より太いものは根管内に削り込むように使用してはいけない.ストリッピングの原因となる刃部の根元がずいぶん太くなる.挿入深さは#3より歯冠側,根管口付近までで,そこから掻き上げて象牙質を削る.根管内から引き抜くときに矢印部分で象牙質を切削する.引き抜きながら少し刃部側面で側方に削るように動かす.根管口を広げ,根管から髄腔開拡を滑らかにつなぐ効果がある#4と同様に使用するが,根管口上部から歯冠側を削る.挿入方向よりも側方へ,そして歯冠側に動かして掻き上げるようにする.根管口より歯冠側を削ることにより,根管口がかなりはっきりと明示される83

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