臨床で困らない歯内療法の基礎
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第2章 根尖撮影法2)根尖撮影補助器具図2-6 歯内療法の英語論文では,平行法とも二等分法とも呼ばず“periapical radiography”すなわち「根尖撮影」とでもいうべき撮影法が出てくる.「撮影法の名称はどうでもいいから,見たい根尖がわかればいい」という割り切りが感じられる.筆者は,根尖撮影には写真にある「XCPインスツルメント」(Dentsply Rinn,デンツプライシロナ)を愛用している.写真は臼歯部用で,フィルムホルダーは2種類ある.黄色いリングは管球の位置づけの目安となる. 一般開業医には,図のような撮影補助器具「CID-3撮影インジケーターセット」(阪神技術研究所,モリタ)が普及していると思われる.本器具を利用しても,XCPインスツルメントと同様の画像が得られる.図2-9 撮影補助器具「CID-3撮影インジケーターセット 」(阪神技術研究所,モリタ).ABab図2-7 黄色は平行法用,白は二等分法用である.エックス線の照射方向は同じで,IPの角度だけ変えた撮影が可能.とくに日本人は口蓋が浅く,平行法のバイトブロックだと使いにくいことがあるので,両者を適宜使い分けるとよい.図2-8a,b 平行法用のバイトブロック(a)を使用すると,エックス線はIPに垂直に照射される.二等分法のバイトブロック(b)を使用すると,管球は平行法とほぼ同じ位置づけで撮影可能である.厳密にいえば,噛む部分に角度がついておりまったく同じではないが,頬骨弓が重なったり頬側根が短縮化したりすることはない.さらにいえば,エックス線はIPに斜めに照射されるので,b内のBよりAのほうが線量の差で白っぽく写るが,読影に影響を与えるほどではない.AB普及している撮影補助器具Tools37

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