DIGITAL DENTISTRY YEAR BOOK2017
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28selected article from IJCd緒言 入念な審美的分析は重要であるが、現代の歯科ではしばしば困難な部分でもある。歯科医療における調和とは、自然界で決定された基本的構造状態と一致させるべきであるが、歯科審美はつねに主観的であると思われる。異なる人物間では、スマイル美の構成要素の見解が極端に異なり得る。さらに、歯の審美性は、人の感情や性格に強く依存する。スマイルはしばしば患者の心理状態と気質を反映する。スマイルデザインのバーチャルスマイルデザインシステム:最近の調査Zimmermann M*1, Mehl A*2*1Dr. med. dent. Moritz Zimmermann*2Prof. Dr. Dr. med. dent. Albert Mehl*1,2Abteilung für Computergestützte Restaurative Zahnmedizin, Zentrum für Zahnmedizin, Universität Zürich, Schweiz<翻訳>*1末瀬一彦(*1大阪歯科大学歯科審美学室)/*2山本真由/*2鳥井克典(*2大阪歯科大学有歯補綴咬合学講座)キーワード:スマイルデザイン、CAD/CAM、顔面計測、審美的、口腔内スキャニング、バーチャル追跡要約 デジタルデンティストリーの時代の中で、バーチャルでの治療計画は、日に日に歯科治療において重要な要素となりつつある。歯科修復でのCAD/CAMシステムにおける新たな技術促進のおかげで、後ろ向きの設計アプローチを用いた予測可能な多岐にわたる治療は、有用かつ実現可能であるように思われる。近年、バーチャルスマイルデザインは、望まれる審美的な最終結果のためのバーチャルセットアップを製作するための基礎として使用されるようになった。バーチャルセットアップは、異なる分野間のチームアプローチのさらなる治療手順を計画し、その結果を患者に伝えるために用いられる。この論文では、スマイルデザインコンセプトとそれに必要な審美的分析について説明する。バーチャルスマイルデザインの作業工程の段階的な説明だけでなく、利用可能なスマイルデザインオプションとシステムをいくつか記述して比較する。続いて、バーチャルスマイルデザインの利点と限界について簡単に説明し、二次元(2D)スマイルデザインをデジタル三次元(3D)ワークフローに統合するさまざまな方法について説明する。デジタルフェイススキャンにおけるスマイルデザインの統合や、口腔内スキャナを用いた3D診断フォローアップなど、新しい技術開発についても言及する。

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