やればできる!やらねばならぬ!歯科領域の院内感染予防対策
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97Chapter 6切削器具類への洗浄・滅菌・乾燥とエックス線撮影機器の汚染予防対策および診療後のユニットの片付けと清拭・ラッピング歯科で頻繁に使用される切削器具の滅菌法の実際について述べる.諸先生方にとってはごく当たり前の事項かもしれないが,もう一度確認していただき,さらなる水準の向上を期待したい.洗浄は切削器具に高圧蒸気滅菌を実施する前の吸引した物質を洗い流す重要な作業である.切削粉や血液などのタンパク質類が,不十分な水洗により残渣物質としてボールベアリングやギアの内部にこびりつくと確実に回転不良の原因となる.使用後すぐに,内部の洗浄を行う必要がある9,10.筆者は切削器具使用後,歯科用ユニットに装着した状態で,バキューム併用下で空運転(フラッシング)を最低20秒間実施し,さらに10倍希釈した専用洗浄液のなかで稼働と停止を繰り返し,THPのヘッド内の洗浄を実施している(図14-1〜6).専用ディスペンサーと専用容器を使用すれば,簡単に滅菌法の実際図14-1 血液の付着した切削器具.図14-2 使用後に20秒間のフラッシングを行う.図14-3 THP,MMHP用の専用洗浄剤(タービン・エンジン専用洗浄剤).図14-4 洗浄は専用容器内にて実施する(20秒間).図14-5 発生する泡対策のため撹拌しながら洗浄する.図14-6 再度フラッシングを行う.

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