歯内療法の迷信と真実
2/4

89予後診査・診断根管拡大・形成根管洗浄/貼薬根管充填修復処置再根管治療外科的歯内療法生活歯髄療法偶発症ポイントの試適を行い、長さをコントロールできる。しかし、スプレッダーが作業長の-3mmまで届く必要があり、スプレッダーと互換性のあるアクセサリーポイントを使用しなくてはならない。また、シーラー層が厚くなるために、その剥離や崩壊が長期間のコロナルリーケージに対して心配される。 では、どちらのほうが予後がよいのであろうか。Farzaneh M et al(2004)3とde Chevigny et al(2008)4は、側方加圧根管充填法よりも垂直加圧根管充填法のほうが全体的な症例のなかで予後はよかったと報告している。しかし、根管形成法も異なっており完全な比較にはならないことから、これらの間に差が存在すると考えることはできない。現在のところ、1つの方法が他の方法と比較して有意にすぐれている、という研究はない。*1 現在でもまれに綿栓根充や粉材根充に遭遇するが、多くの症例では根管内に感染が残存している。症例5-1-1 管外側枝が充填された症例症例5-1-1a 上顎左右中切歯の壊死症例である。症例5-1-1b 管外側枝に充填されているが、側枝の形成と洗浄には疑問が残る。ab図5-1-1 側方加圧根管充填と垂直加圧根管充填の利点と欠点。1.側方加圧根管充填 利点:メインポイントの長さをコントロールできる    多くの研究においてゴールドスタンダード    費用がかからない 欠点:スプレッダートラックができる    作業長の−1~−3mmにスプレッダーを届かせなければならない    クラックや破折の可能性がある2.垂直加圧根管充填 利点:ほとんどの根管形態に対応できる    シーラーの厚みを薄くできる、専門医の第一選択である 欠点:費用がかかる    オーバーフィリングの可能性    長い根管、開放根管には適応しない

元のページ 

page 2

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です