インプラントのための軟組織マネジメントを極める
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シンポジウム1図23 採取した遊離歯肉移植片。口蓋皺襞が存在する小臼歯部は全体の厚さが大きいが、脂肪組織が多く、粘膜固有層は大臼歯部のほうが厚いことがわかる。この状態から脂肪組織、上皮をトリミングすることにより、粘膜固有層を最大限採取することができる。図27 歯科医師:唇側の骨膜を拾いマットレス縫合を行う。薄い骨膜を拾い、針を進めるため、過度に負荷がかかると骨膜が切れてしまうことに注意する。アシスタント:マットレス縫合を行う際には、どこに針が刺出されてくるのかを予測してフラップを排除することが大切である。図26 歯科医師:移植片を舌側のフラップに固定するように、フォーセップスで移植片を把持し組織に対して直角に刺入する。アシスタント:歯科医師が刺入しやすいようにフォーセップスで移植片を固定する。この際、組織を挫滅させないように優しく行う。図25 上皮と結合組織の分離が終わったら、結合組織に上皮や脂肪組織が残存していないかを確認し、必要に応じてそれらを除去する。移植片に脂肪組織が残っていると受容床からの血管の増殖を阻害するためトリミングが必要になる。この際にも移植片が動かないように固定しておくことが大切である。図24 歯科医師:メスの進行方向から移植片を押さえ、移植片が動かないようにする。移植片に対して水平にメスを動かしていき、0.3~0.5mmの均一な厚みの上皮を分離する。上皮の残留がないように移植片をよく観察する。アシスタント:分離された上皮を優しく把持し、移植片がより安定した状態でトリミングできるようにアシストする。切開が進むにつれフォーセップスの位置を移動し、組織が動かないようつねにテンションをかける。軟組織手術におけるアシスタントとのコンビネーション(図23~27)↑→→←↑○ 特に移植片の取り扱いが重要であり、縫合時に移植片を安定させた状態で刺入・刺出することが大切である(図26)。アシスタントがスムーズに手術のアシストを行うためには、どこから刺出するのかを予測することが重要であり(図27)、ここでも歯科医師とアシスタントのコンビネーションが欠かせない。 移植片に対して直角に刺入する際には、移植片を把持し固定した状態で刺入する。この際、歯科医師がより確実に刺入しやすいように移植片が動かないようにアシスタントもフォーセップスにて移植片を固定しておくことが大切である。 以上のように、CTGの手術においても術者とアシスタントの連携は重要であり、知識と技術を身につけることにより確実かつ迅速に手術を進めていくことができる。30

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