歯科医師なら知っておきたい81のからだの症状
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13(1)高齢者が一瞬気を失う程度に頭を打ったが,すぐ元に戻りなんともなくなった.しかし,1か月ぐらい経って足下がおぼつかなくなり歩きにくくなったら  →「慢性硬膜下血腫』」 大酒家の男性に起こることが多いのですが,女性でもときに起こります.忘れた頃に症状が出るので検査が必要で,検査のできる病院を受診してください.はじめの症状は歩行に出ます.簡単な手術治療で治ります.かつて検査法のなかった頃は脳梗塞として扱われていたと推測できます.頭重感程度で激しい頭痛はありません.(2)脳ドックで,隠れ脳梗塞と言われたら  →「無症候性脳梗塞」 心配いりません.特別敏感なフレアー(uid attenuated IR:FLAIR)撮像法では,小さなラクナ型梗塞といわれる脳の一番末梢の動脈が詰まってできるものが目につきます.40歳代からみられますが,動脈の加齢現象によるものです.大きな梗塞に結びつくことはめったにありません.喫煙,大量のアルコール,高血圧,高脂血症などがリスク要因です.女性に多い傾向があるようです.(3)耳の周りあたりにピリピリ,あるいはビリビリする痛みが出て,治らず続いたら  →「帯状疱疹」 頭だけでなく胸や背中にこのような症状が出たら,帯状疱疹の可能性があります.しばらく注意深く様子をみてください.発疹が出て水疱になるようなら,まず間違いありません.水疱瘡に罹ったことがある人に起こります.発疹が出たら,できるだけ早く抗ウイルス薬を処方してもらうことが必要です.発疹が出ない場合には,頭痛として鑑別診断をします.痛みがひどいようなら脳神経外科を受診してください.(4)両目が飛び出してきて,顔つきが以前と違ってきたら  →「バセドウ病」 目が飛び出すまでもなく,目つきが以前と違うようであり,加えて疲Ⅱ.よくある,今注目されている疾患です! 医療機関を受診してください-ありふれているが,ちょっと気に留めて おいていただきたい疾患-

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