歯科医師なら知っておきたい81のからだの症状
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10 まず,本文の前に,「I. 命にも直結する重大な疾患」,および「II. ありふれているがちょっと気に留めておいていただきたい疾患」について書いておきたいと思います.後で記載してある症状と疾患の説明で重なっているものもありますが,特に強調しておきたい症状と疾患について述べたいと思います.(1)突然,原因なく激しい頭痛が起こったら  →「くも膜下出血」 その痛みの特徴は,雷に打たれたかハンマーで殴られたようで,経験したことのない痛みです.意識を失うことがあります.手足の麻痺はないことが多いです.緊急事態なので,救急車で脳神経外科のある病院へ行ってください.前兆はほとんどないため,日ごろから脳ドックなどを受けて,脳動脈瘤がないかチェックしておく方法があります.(2)突然激しい頭痛が起こり,片方の首の後ろが特に痛いとき  →「椎骨動脈解離」 この疾患は,(1) で述べた脳動脈瘤の破裂によるくも膜下出血の好発年齢より若い40~50歳代に多いのが特徴です.2本ある椎骨動脈という首の後ろを走る動脈の1本の壁が剥がれて,くも膜下出血か血管閉塞を起こします.そして,その側の剥がれた動脈の激しい痛みが生じます.痛いほうの首の動脈に原因があります.くも膜下出血を起こした場合,その日のうちに再出血しやすい命にかかわる疾患です.前兆はありません.(3)ある日,片側のまぶたが下がり,ものが二重に見えるようになったら  →「脳動脈瘤の増大(破裂寸前の状態)」 破裂の警告症状です.他の症状として,まぶたの下がった側の目の奥が痛くなります.一刻を争う状態なので,すぐに脳神経外科のある病院を受診してください.I. これは危ない!        今すぐ病院に行ってください-命にも直結する重大な疾患-Introduction

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