知ってて得した! 歯周治療に活かせるエビデンス
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17図4に歯肉縁下プラークの細菌構成を示します。ピラミッドにたとえると、まず底部に属する細菌が歯根表面に定着・増殖し、時間の経過とともに、オレンジ色や赤色に属する細菌が増殖します。あとからバイオフィルムの一員となる、ピラミッドの頂点(赤色の部分)に属する細菌群は「レッドコンプレックス(red complex)」と呼ばれ、もっとも病原性の高い歯周病原細菌として知られています4)。また成熟したバイオフィルムでは、細菌はお互いに付着し合ってグリコカリックス(glycocalyx:細胞外多糖)という膜(基質)に包まれ、シグナルを出し合っています。その基質に守られたバイオフィルムは、内部に抗菌剤を浸透させないだけでなく、病原性も高まることがわかっています。そのため、現在でも、歯肉縁下のバイオフィルムをもっとも効果的に破壊する方法としては、スケーリング・ルートプレーニング(SRP)などの機械的な除去法に落ち着いているのです。図4 歯肉縁下プラークの細菌叢(参考文献4より引用改変)。まず底部に属する細菌が歯根表面に定着・増殖し、時間の経過とともに、オレンジ色や赤色に属する細菌が増殖します。また、黄色、オレンジ色、赤色の順に危険度が高く、特に赤色部分の歯周病原細菌はレッドコンプレックス(red complex)と呼ばれ、歯周病において一番危険な細菌であるといわれます。成熟性・病原性が高いP. gingivalisT. denticolaT. forsythiaV. parvulaA. odontolyticusActinomyces sp.C. gracilisC. rectusC. showaeS. constellatusE. nodatumStreptococcus sp.S. gordoniiS. intermediusP. intermediaP. nigrescensP. microsF. nucleatumF. periodonticumS. mitisS. oralisS. sanguinisE. corrodensC. gingivalisC. sputigenaC. ochraceaC. concisusA. actinino. a抗菌薬はブロックPART 歯周病の病因について知っていると臨床に活かせる情報1

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