知ってて得した! 歯周治療に活かせるエビデンス
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16図3 バイオフィルムの形成のステップと抗菌薬の関係。浮遊細菌や根面に付着し始めたばかりの細菌(❶)、根面に付着した後、細胞外多糖(グリコカリックス)の分泌を開始したときの細菌(❷)、複数種の細菌のコロニーが形成し出したばかりのバイオフィルム(❸)に対する抗菌薬投与には効果がありますが、やがてバイオフィルムが巨大化・過密化されると、抗菌薬だけでなく弱い機械刺激にも抵抗をもつようになります(❹❺)。ところが、「非特異的プラーク仮説」に「特異的プラーク仮説」が加わってもまだ、以下のようなことが説明できませんでした。❶特定の細菌群の有無によって歯周病に罹患するかしないのかが、はっきり定まらない❷特定の細菌群に対して確実に効果があるはずの抗生物質が、歯周病にはさほど効果を示さないこれらの理由として考えられるのが、細菌バイオフィルムの形成です(図3)。歯根表面では、最初に根面に付着するグラム陽性菌を足がかりにしてグラム陰性の嫌気性菌が凝集し、その後に歯周病原細菌といわれる細菌群が繁殖するようです。▲焦点は「プラーク」から 「バイオフィルム」へ❺バイオフィルム形成のステップ過密になったコロニーが破壊され、細菌が放出❹バイオフィルム形成のステップバイオフィルムが厚みを増し、コロニーが巨大化抗菌薬が細菌叢に有効抗菌薬に細菌叢が抵抗❶バイオフィルム形成のステップ細菌が根面に付着し始める❷バイオフィルム形成のステップ❸バイオフィルム形成のステップ複数種の細菌のコロニーがバイオフィルムを形成根面に付着した細菌が細胞外多糖を分泌開始 抗菌薬

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