小児のエンド
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43歯髄除去療法ⅠⅡⅢⅣⅤⅥ【  乳歯の歯髄処置  】2生活歯髄切断法(水酸化カルシウム法)【目 的】 これは,病的状態の冠部歯髄を除去し,その切断面を生活歯髄切断糊剤(水酸化カルシウム製剤)で覆い,残存歯髄の修復能力を旺盛にし,切断面の創傷治癒と庇蓋硬組織の新生を促進させて,根部歯髄を生活状態に保持する療法である.【適応症】 冠部歯髄に炎症が限局している歯髄炎で,急性単純性歯髄炎,慢性単純性歯髄炎(深在性齲蝕),急性化膿性歯髄炎(軽度なもの),慢性潰瘍性歯髄炎,慢性増殖性歯髄炎,および外傷による歯冠部の破折や露髄などに用いられる.【術 式】 術式は直接覆髄法と最初は同じである.局所麻酔後ラバーダムは必ず行い防湿を図る.感染象牙質は完全に除去し,髄腔を開放する.冠部歯髄を根管口まで除去,ここで出血状態を精査する.これが第二次診断である(⇒p.45参照).次亜塩素酸ナトリウムと過酸化水素水で歯髄を溶解させ洗浄し,出血状態をみる.出血してない場合は切断糊剤(水酸化カルシウム製剤)を貼薬,裏層し歯冠修復を行う.しかし,歯髄炎が歯冠部に限局しているか,根部まで進行しているかを考慮に入れなければならない(図Ⅲ-10).Question水酸化カルシウム製剤の特徴は? とくに生活歯髄切断時の優位点は,以下の通りである.(1)糊剤で扱いが便利(2)臨床成績が良好(3)病理組織成績が良好<歯髄所見> ・残存歯髄組織は正常 ・炎症症状は軽度 ・庇蓋硬組織の形成が著明 ・根管壁の硬組織形成はみない ・歯髄内の変性は軽度 ・生理的歯根吸収が正常 ・歯髄内の内部吸収は認められることがある

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