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図2-71a,b 10代,女性.う蝕治療後のエックス線像. 主訴は₆付近がズキズキ痛むだったが,原因歯は₆であった.生活歯髄を伴った歯に問題が発生している.原因と思われるう蝕をとり除いた後も,症状がとれななかったので抜髄する必要がでてきた.図2-71c,d 軟化象牙質を完全除去してレジン充填を行ったにもかかわらず違和感が存在することから抜髄治療へ. 歯冠部歯髄除去中の細菌検査(シャーレ上半分)では++となっている.天蓋の部分から歯冠部歯髄内のどこかに細菌が存在して,歯髄を刺激していたことになる.抜髄治療後(シャーレ下半分)では-の結果となり,無菌的に治療が進んでいることがわかる.根管に細菌感染させない 前回の治療時に緊急治療を行い歯冠部歯髄の除去が終了している場合は,麻酔を行い仮封材をとり除いたら,ラバーダムを装着する.本来はいきなり抜髄しない方が予後がいいに決まっている(Engström & Lundberg. 1964)が,実際の臨床ではいきなり天蓋除去を行ったりしているのではないだろうか.その場合には,徹底的にう蝕象牙質の除去をしなければならないし,歯肉縁下にう蝕が近接している場合は,リーケージを防ぐ努力(隔壁を作成)が必要となるため,予定以上に時間がかかってしまう. エンド治療は細菌との戦い(Bergenholtz. 1990)であるから,根管形成や根管充填前に多くの配慮が必要であり,抜髄を行うには最も重要なポイントになる(図2-71a~g).この時間がとれないのであれば,抜髄は数回に分けて行うしかない.抜髄を成第2章 エンドにかかわる臨床98

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