世界で最も成功率が高いスカンジナビアエンド
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スカンジナビアエンドの特徴 臨床家にとって治療後の成功率は,非常に気になるところである.成功率の高い治療法があれば,その方法で治療すればいいことになる.数多くの研究をレビューしてみると,1つだけはっきりしていることがある.それはエンドに関わる治療方法が異なると,成功率が異なるということである(図2-1,宮下.2001).日常臨床では,抜髄と感染根管治療が「エンド治療」と一括りとなり,同じような取り扱いをしている読者も多いかもしれない.しかしスカンジナビアのエンドでは,抜髄と感染根管治療はまったく異なると考えている. 本書では,治療方法ごとに重要であるポイントと配慮すべきことをまとめた.治療中のファイルの破折やパーフォレーションなどはアドバンスの方に回し,本書では,基本的なエンドに対する考え方に重点を置いた.アドバンスな内容はあたかもまったく別もののように思えるかもしれないが,基本は何も変わらない.なぜスカンジナビアエンドなのか100908070605040123456717追跡期間8910年%①②③⑪⑤⑥⑦④⑮⑧⑯⑩⑰⑫⑨⑭⑬図2-1 さまざまな方法で治療された研究を筆者がグラフにしたもの.最も成功率が低い研究は⑦のJokinenらのものであるが,歯質の崩壊が著しく,ラバーダムを装着できたものが半数であると報告されており,抜髄の成功率でさえも低いことがわかる(筆者の文献解釈).Jokinen MA, Kotilainen R, Poikkeus P, Poikkeus R & Sarkki L. Clinical and radiographic study of pulpectomy and root canal therapy. European Journal of Oral Sciences.1978; 86(5):366-373.第2章 エンドにかかわる臨床54

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