疾患別 歯科医療面接
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 歯科治療時、これだけは気をつけましょう! 歯科治療が全身に及ぼす影響では、ステロイド療法の際の易感染性を考慮して、予防的に抗菌薬の投与が必要な場合もあります。診療での注意点5❶ ステロイドについて、どんな薬剤か、服薬期間、1日服用量も確認する❷ 下記の副作用が発現していないか聴取する6  高血圧、血糖値の上昇(ステロイド糖尿病)、消化性潰瘍(ステロイド潰瘍)、白内障、顔面(ムーンフェイス:満月様顔貌)  と腹部の腫れ、腕や脚が細くなる、創傷治癒遅延(易感染性)、小児期の発育障害、骨からのカルシウムの減少(ステロ  イド性骨粗鬆症:抜歯時には配慮)、空腹感、体重増加、気分の変動(不眠症、多幸症、うつ状態 など)など❸ 歯科治療に伴うストレスは、自己免疫疾患の症状が増悪する場合があるので注意を払う❹ 骨粗鬆症を合併している場合には、その程度を評価する❺ ステロイドを投与されている患者は、ストレスに過敏なため処置内容によっては増量する❻ ベーチェット病、天疱瘡、類天疱瘡など、口腔内に病変がある場合には悪化させないようにする  たとえば局所麻酔の刺入点を少なくする、切開は最小限に留めるなどの配慮をする  また、緊急を要さない歯科治療は、潰瘍、びらん、再発性アフタなどがみられない場合に処置を行う❼ 口腔内の乾燥がみられる場合には保湿に配慮するここに注意!図1 メトトレキサート*7を服用する患者さん向けのパンフレット  (日本リウマチ学会。https://www.ryumachi-jp.com/pdf/mtx.pdf)*7:メトトレキサート製剤は免疫抑制作用をもつ抗リウマチ薬で、リウマチと診断されたなら、まず初めに使うべき薬剤(第一選択薬)の1つ。1週間のうち1~2回だけ服用するため、飲み忘れた場合の注意や副作用への対応、日常生活の留意点など、安全性と効果的な服薬情報が記載されている。147

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