抜歯しない埋状歯の矯正歯科治療
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129Part3|埋伏歯矯正歯科治療の実際₆がEの下に位置する異所萌出例である.[写真は今村一信先生(東京都開業)のご厚意による]図7| 異所萌出の例初診時17歳3ヵ月の女性,上顎前歯の空隙を主訴に来院した.₂₂の先天欠如に加えて,₆は低位で半埋伏を呈した.当該歯は対合歯と接触せず,歯冠の1/2しか視診で確認できない.若干の近心傾斜を呈するが,触診では動揺は認められず,骨性癒着の可能性もあるが,パノラマエックス線所見では歯根膜に異常は認められず,原因は不明であった.図8| 第一大臼歯低位・半埋伏の例顎枝前縁までの長さが足りない,萌出空隙不足が挙げられる.さらに近遠心の歯根長が異なることも考えられる11.短い歯根に対して,長い歯根は形成を続けることで,反対側に傾斜する可能性がある.濾胞性歯嚢胞3-9,38も埋伏の原因であり,他の歯の骨性癒着53に関連して埋伏することもある.診断下顎第三大臼歯の歯根形成前に誘導を試みるのが妥当である16.歯根形成度がR1/2以下の場合,第

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