Digital Dentistry YEARBOOK 2016
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selected article from IJCd口腔内スキャンシステム─現状の概説Zimmermann M*1/Mehl A*2/Mörmann WH*3/Reich S*4*1Dr. med. dent. Moritz Zimmermann*2Prof. Dr. Dr. med. dent. Albert Mehl*3Prof. Dr. Dr. med. dent. Werner H. Mörmann*4Prof. Dr. med. dent. Sven Reich, Klinik für zahn-ärztliche Prothetik und Biomaterialien, Zentrum für Implantologie, Universität Aachen*1-3Abteilung für Computergestützte Restaurative Zahnmedizin, Zentrum für Zahnmedizin, Universität Zürich, Schweiz<翻訳>松下容子(歯科英語通訳翻訳オフィス;勤務医、WDC/JUCメンバー)キーワード:デジタル印象採得、口腔内スキャン、レビューはじめに 印象採得の大部分は今日でも従来のトレーと印象材を用いた方法などで行われている1。歯科医師の5~10%が光学印象採得に口腔内スキャナーを使用していると推測される。しかしながら、デジタル印象採得が多大な恩恵をもたらすことに疑う余地はない。臨床手順の確実な成功を保証できる口腔内スキャンシステムの精度は多くの研究で示されている2-5。特定の適応症の治療プロセスにおいては少なくとも、口腔内スキャナー使用が従来法に匹敵すると考えられる。デジタルデータ記録が提供する選択肢が、将来、複雑になりすぎるとか従来の印象採得に匹敵しなくなるといった危険性もある。簡単なバーチャルの切り取りや結合などのツールに加えて、歯の硬・軟組織の解剖学的構造体の摩耗、退縮などを分析できる特徴もある6。そのため、要約 今日、口腔内光学印象システムを使ったデジタル印象採得に可能性と将来性があることは疑いない。過去数年の間に市場に流通する口腔内光学印象スキャナーは相当数増加した。 多くの革新と、矯正とインプラント分野における適応範囲が拡大されて、口腔内光学スキャンシステムの発展は将来的にますます期待される。口腔内スキャナーによるデジタル印象採得はすでに、従来法の印象採得に対しいくらかの明らかな優位性を示している。個別化した医療を提供する際に診断と治療の考え方にデジタル印象が結合されたことの多用途性を述べることは、とくに価値がある。日常生活ですでに確立されているデジタル機器の将来を予想するのと同様に、デジタル印象採得の将来の発展はまだまだ楽しみである。 この論文では口腔内スキャンシステムを使ったデジタル印象採得の優位性と限界を概説し、今日流通しているうちの適切な口腔内スキャナーについても概説する。40

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