臨床家のための矯正 YEARBOOK 2015
2/6

011臨床家のための矯正YEARBOOK 2015「成長期における上顎前突」の長期術後経過から考える第一期治療の意義1bOverjetの改善が認められた.その結果,側貌の改善も認められた.そして,初診時に閉鎖困難であった口唇の緊張感は改善し,患者の主訴と咬合の改善が達成され,良好なスマイルとなった(図1b, 2f, 5a, b, 表2).術後経過:保定2年経過時(図1c, 2g, 3c)においては,保定開始時に比べてSNAに変化は認められなかったが,SNBは0.5°増加した.一方で,治療により2°整直したIMPA,5°増加したI.I.A.,そして1.5°減少したOcc.to SNは初診時の値にほとんどリラプスしたことが認められた.また,治療中変化しなかったFMAは0.5°増加した(図5a, b, 表2). 保定11年5か月経過時(図1d, 2h, 3d)においては保定2年経過時に比べてIMPAが1°増加,I.I.A.が1°[症例1(図1~7, 表1, 2)]図1a~d 顔貌(症例1).a:初診時(10歳11か月/1996年7月4日),b:保定開始時(14歳8か月/2000年4月8日),c:保定2年経過時(16歳7か月/2002年3月28日),d:保定11年5か月経過時(26歳1か月/2011年9月9日).図2a~i 口腔内写真(症例1).a:初診時(10歳11か月),b:治療6か月経過時,c:治療1年1か月経過時,d:治療1年3か月経過時,e:治療2年1か月経過時,f:保定開始時(14歳8か月),g:保定2年経過時(16歳7か月),h:保定11年5か月経過時(26歳1か月),i:保定14年経過時(28歳9か月).2a2g2f2i2h2e1a1c1d2b2c2d

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です