考えるエンドドンティクス
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064Part 2a.生理学的根尖孔の定義の変化 根尖孔の穿通ができたら根管長の測定を行います.かつては,生理学的根尖孔は「根尖の最狭窄部」とされ,cementum-dentin junction(CDJ)と定義されていましたが(図8-6参照),解剖学的研究によって必ずしも一点に収束しないことが報告されています1.臨床科学では「定義」自体が変わることがよく起こります.補綴学における「中心位」の定義や顎関節症の治療法なども同様です. 解剖学的定義と臨床的定義は異なりますが,臨床的には術前のデンタルエックス線写真における主根管の消失点が1つの目安になります(図16-1).たいていは,エッNo.16生理学的根尖孔の決定図16-1a, b デンタルエックス線写真における主根管の消失点(赤点)が1つの目安になる.この抜去歯では遠心根の根尖孔周辺に外部吸収がある.c, d:根管充填は生理学的根尖孔の1mm上方に設置するためエックス線的根尖から1mm程度短く写る.これをアンダー根充と勘違いしている歯科医師がいるが正しい理解ができていない(研修医がエンド道場で撮影).abdc

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