インプラント デンティストリー エンサイクロペディア
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1. インプラントに影響を及ぼす代表的な全身疾患等●予後に影響を及ぼす代表的な疾患として心疾患、糖尿病、骨粗鬆症などがある。●その他、喫煙やステロイド薬による影響もインプラントの予後に影響を及ぼす。●他の疾患も含めて十分に問診し、医科主治医と密接な注意点と対応●心疾患は、現在の状態および服薬について十分に問診を行い、主治医との連携をとりながら治療を進める。●高血圧の患者では十分に血圧コントロールがなされていなければならない。●心筋梗塞や狭心症では発作後の状態によっては手術可能。ただし、人工弁置換術やペースメーカーの装着がある場合は、感染性心内膜炎を起こす危険性があるので慎重に対応しなければならない。●歯周病と心疾患の関連性が指摘されていることから、術前に歯周治療を十分に行い、術後もインプラント周囲炎の予防に十分留意する。●抗血栓薬服用患者では術後の出血に注意する。インプラントと全身疾患との関係心疾患1連携をとる必要がある。●インプラントの予後の判定に、周囲炎の有無は大きな指標となるため、全身管理とあわせて口腔衛生管理を徹底する。石垣佳希/白川正順 日本歯科大学附属病院口腔外科systemic disease, heart disease, diabetic, osteoporosis, smoking, long-term use of medicine1予後に影響を及ぼす全身疾患等の把握とその対応Keypointインプラントの予後に影響を及ぼす代表的な全身疾患として心疾患、糖尿病、骨粗鬆症などが挙げられる。心疾患は現在の状態や服薬状況の把握、糖尿病は末梢循環障害や免疫機能低下によるインプラント周囲炎への対応、骨粗鬆症は骨密度低下による埋入操作や二次手術までの待機期間への配慮を要する。さらにビスフォスフォネート系薬剤(以下BP製剤)服用中の場合は術後の顎骨壊死が懸念される。その他、喫煙者やステロイド薬長期服用者も注意を要する。Chapter1診査・診断8

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