GDS 総義歯の真髄
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2495-2 人工歯排列の実際 ―長期的な予後安定を求めた人工歯排列を目的に―側方歯群で側方運動時に咬合誘導が確立されていないと……図1 犬歯などの側方歯群で側方運動時に咬合誘導が確立されていないと、臼歯部の機能咬頭内斜面同士で咬合誘導がなされ、経時的に臼歯部人工歯の咬合支持咬頭である機能咬頭の摩滅が発生してしまい、咬合高径が低くなってしまう。������破折抵抗 ウィルソンカーブウィルソンカーブ逆ウィルソンカーブ図2 図1のような状態だと、上下顎の機能咬頭は摩耗してしまい、臼歯部は逆ウィルソンカーブを呈することになる。図4 仮に上顎義歯に応力が働いても、図のようにウィルソンカーブを描く時は口蓋部分で義歯床が口蓋粘膜に当たることで抵抗源となり、上顎義歯破折の防止が可能となる。図3 図のように逆ウィルソンカーブになってしまうと、咬合力のかかる方向により、義歯口蓋粘膜部はともすると口蓋粘膜と離れてしまい上顎義歯破折の抵抗源がなくなることで上顎義歯破折の危険が高まる。同士で咬合誘導がなされ、経時的に臼歯部人工歯の咬合支持咬頭である機能咬頭の摩滅が発生してしまう(図1)。 これにより、臼歯部は逆ウィルソンカーブを呈することになり(図2)、これが義歯破損の原因ともなりうる。なぜなら、逆ウィルソンカーブになってしまうと咬合力が総義歯にかかったときの咬合力のかかる方向により、義歯口蓋粘膜部はともすると口蓋粘膜と離れてしまい、上顎義歯破折の抵抗源がなくなるからである(図3)。一方、この咬合支持咬頭である機能咬頭の摩耗を防止するとウィルソンカーブは保持され、仮に上顎義歯に応力が働いても、口蓋部分で義歯床が口蓋粘膜に当たることで抵抗源となり、上顎義歯破折の防止が可能となる(図4)。 このように咬合誘導を正しく行うことを目的として、筆者は前歯部においては咬合機能に深くかかわりをもたない側切歯以外は、左右対称な排列が必要になると考えており、特別な理由がない限り乱排列は行わない。 以下、順次その排列方法にて述べてみたい。

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