基本からわかる!歯科矯正用アンカースクリュー
6/6

35chapter 3 植立部位はどう設定する?大口蓋孔の位置図3-11 大口蓋孔はCEJから10mm以上離れていることが多い.13mm臼歯部口蓋側の植立ポイントと植立例◉臼歯部口蓋側への植立臼歯部口蓋側への植立では,口蓋粘膜が3mm以上あるため長いスクリューが必要となるが,皮質骨が厚く歯根間が十分に離れているためスクリュー植立に適した部位である(図3-8).特に舌側にマルチブラケット装置を装着する症例では,同部にスクリューを植立することで治療メカニクスを単純化することができる.小臼歯抜歯症例や大臼歯圧下が必要な症例では第一および第二大臼歯の間(図3-9),小臼歯非抜歯で遠心移動を行う症例では第二小臼歯と第一大臼歯の間が適している(図3-10,➡chapter 9参照).第二大臼歯の根尖近くには大口蓋孔が存在するが,通常CEJから10mm以上離れているため,スクリューが近接・接触することはほぼない(図3-11).しかしCBCTやエックス線写真を用いて十分な精査を行った後に植立部位を決定すべきであり,スクリューの長さや太さにも配慮が必要である(➡chapter 2参照).A:小臼歯抜歯症例/大臼歯圧下が必要な症例 ▼第一大臼歯と第二大臼歯の間B:小臼歯非抜歯症例/遠心移動を行う症例 ▼第二小臼歯と第一大臼歯の間図3-8 上顎大臼歯口蓋側の植立ポイントと同部のCBCT画像.CBCTで見ると,第一大臼歯と第二大臼歯の口蓋根の間の空隙が広いことがわかる(赤矢印).⬇⬇Aの場合Bの場合図3-9 第一大臼歯と第二大臼歯の間に植立されたスクリューの使用例.図3-10 第二小臼歯と第一大臼歯の間に植立されたスクリューの使用例.Aの場合⬇⬇Bの場合⬇⬇

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です