基本からわかる!歯科矯正用アンカースクリュー
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27chapter 2 最適な歯科矯正用アンカースクリューの選択基準とは?図2-13 動的治療開始から11か月.上顎犬歯のみエラストメリックチェーンで牽引している.図2-14 動的治療開始から24か月.ループメカニクスを用いて,上顎前歯のトルクをコントロールする.クロージングループは,オメガループとスクリューを結紮線で結ぶことで活性化している.図2-12 動的治療開始から4か月.上顎第一大臼歯近心にスクリューを植立し,100gのNi-Tiクロージングコイルスプリングで上顎前歯を牽引している.下顎は,クロージングループにより抜歯空隙の閉鎖を図る.▼上下顎第一小臼歯を3本抜歯した後,0.018スロットのプリアジャスティッドタイプのマルチブラケット装置を装着し,Ni-Tiワイヤーにてレベリングを行った.▼上顎第二小臼歯と第一大臼歯の歯根間に,歯科矯正用アンカースクリュー(アブソアンカーⅡ〔松風〕,直径1.4mm長さ7mm)をセルフタッピング法にて歯軸方向に対し30°の角度に傾斜埋入した.▼4か月後より,0.016×0.022インチのβ-Tiワイヤーに装着したフックとスクリューの間に100 gのNi-Tiクロージングコイルスプリングを装着し,スライディングメカニクスによって上顎6前歯の牽引を開始した(図2-12).▼10か月後より上顎犬歯のみを牽引し(図2-13),18か月後よりループメカニクスを用いて上顎4前歯を牽引し,圧下とトルクコントロールを行いながら抜歯空隙を閉鎖した(図2-14).顎間ゴムの使用は,マルチブラケット装置撤去の直前1か月間のみであった.▼動的治療期間は30か月であった.▼保定装置は上顎にラップアラウンドリテーナー,下顎にリンガルボンディッドリテーナーを装着した.◦治療経過

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