基本からわかる!歯科矯正用アンカースクリュー
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10◉アンカースクリューを用いた治療の流れまず一般的な矯正歯科治療と同様に口腔内写真撮影,印象採得,エックス線写真撮影など一連の資料採得を行う.次に得られた資料を分析に基づいて診断を行い,治療計画を立案する(図1-5).その後マルチブラケット装置の装着,スクリュー植立,インプラント矯正へと進んでいくが,アンカースクリューを絶対固定に用いることにより,治療計画に沿った予測性の高い矯正歯科治療が可能となる.また抜歯/非抜歯の選択や外科的矯正治療の適応など,診断が大きく変わる.スクリュー植立に際しては,以下に挙げる項目を考慮する必要がある.アンカースクリューの臨床応用◦使用目的(➡chapter 9)◦適切なスクリューの長さ,太さ(➡chapter 2)◦植立部位(➡chapter 3)◦植立方向(➡chapter 4)◦植立方法(➡chapter 5)◦荷重の方法,大きさ(➡chapter 6)これらの項目はそれぞれ密接にかかわっていることから,相互関係を十分に理解したうえで適切な選択をしなければならない.なおアンカースクリューは治療後に撤去するが,その手技は簡便である(➡chapter 7).また全治療期間を通してアンカースクリューの使用により起こりうる偶発症(➡chapter 8)に留意し,その安全な使用を心がけることが重要である.2アンカースクリューを用いた矯正歯科治療の流れ図1-5 インプラント矯正においても,診査・診断が最重要である.初診・相談精密検査診断・治療計画マルチブラケット装置の装着インプラント矯正開始保定・観察スクリュー埋入スクリュー撤去アンカースクリューの を検討する①使用目的 ②植立部位 ③植立方法 ④スクリューの種類⑤荷重の方法・大きさ

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