3年目からの歯科衛生士臨床
6/6

79Part 1 臨床力アップにつながるヒント18良くなったところ●歯科医院側の治療によって改善した部位●患者さんの努力があって改善した部位再評価の説明のしかた2再評価の説明に際しては、次の3つのステップでデータを整理すると、ポイントがよリ明確になります(図2および81ページCaseG参照)。STEP1 初診時と再評価時のデータを比較して、「改善した部位」と「改善しなかった部位」を整理する。STEP2 「改善しなかった部位」について、問題の絞り込みをする。STEP3 今後の方針を決定する。改善した部位に関しては、具体的に何がどうよくなったかを伝え、これまでの患者さんの努力をねぎらい、素直に喜びをわかち合いましょう。また、改善したものの今後問題が起こりそうであれば、このときに説明しておきます。改善しなかった部位については、なぜ治らなかったのかを分析し、今後の対応を何通りか用意した上で、患者さんに説明するようにします。歯科衛生士のみの介入で◉図2 再評価時のデータ評価のステップ情報の整理STEP1改善するならば、再度SRPするなどの対応を提案します。また患者さんのブラッシングや生活習慣に原因があって改善しないのならば、再度TBIを行いたいところです。歯科衛生士・患者さんともに対応が不可能な部位に関しては、今後の方針について患者さんと検討しなければなりません。選択肢として●より良くなるための治療をする(歯科医師による介入)●現状維持のために定期的に通院する(SPT)●何もしないの3つが考えられます(図3)。それぞれのメリット・デメリットを説明し、患者さんに選択してもらいます。なお、ここでもっとも重要なことは、患者さん自身に自分の今後を選択してもらうということです。なぜなら、人から言われたことよりも、自分が決めたことであれば継続しやすいからです。再評価まで通院してきた患者さんとのあいだに信頼関係が構築できていれば、「何もしない」という選択肢は選ばないはずです。普通に考えれば、歯科医師による介入か、SPTを選択することが多いでしょう。なお、どの選択肢を選んだとしてもそれは患者さんの意思ですから、尊重する姿勢が大切です。再SRP再TBI図3参照今後の方針の決定患者さんの努力で改善できる●口腔清掃に協力的である歯科衛生士・患者さんともに対応不可能●根分岐部病変、不良補綴物、歯の位置異常、治療を妨げる解剖学的形態など歯科衛生士の介入で改善できる●深い PDに残石があり、SRPで除去可能良くならなかったところ●プラークが残っている部位●PD4mm以上の部位●BOP(+)の部位問題の絞り込みSTEP2STEP3

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です