成人矯正歯科治療
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162包括的成人矯正治療9包括的矯正治療による成人治療例■症例の概要 骨格的にはややⅡ級のドリコ傾向,AngleⅡ級であるが,口唇部の突出感は少ない.ガミースマイル.オーバージェット1.5mm,オーバーバイト5.5mm,₇₇,₅,₅₆₇が欠損している.₂₂は矮小歯であり,₂はエンド病変のため抜歯予定.初診時年齢:36歳11か月 治療開始年齢:37歳1か月 主訴:前歯部審美障害・ガミースマイル■診断および治療方針 骨格性上顎前突とガミースマイルを伴うAngleⅡ級不正咬合.臼歯部を多数喪失しているため,咬合高径が減少して前歯部被蓋がより深くなったものと思われる.ペリオ,エンドなどの初期治療終了後,臼歯部をプロビジョナルレストレーションに置換.さらに左下臼歯部にデンタルインプラントを適用し,咬合高径の再獲得と治療中後における安定した臼歯部咬合維持を図る.下顎前歯部は圧下排列する.主訴である上顎前歯部については,ガミースマイル改善のため,同部圧下を歯科矯正用アンカースクリューにより行う.また将来の補綴治療に備えて,最終補綴物の歯冠幅径を考慮しながら近遠心的なスペースの再配分を行う.また,₂は抜歯し,ポンティックとする予定であるが,歯槽堤の保存に配慮した歯の移動を行い,適切な時期に抜歯することとした.使用した装置:.018”スロットエッジワイズ装置(ロスタイプ),歯科矯正用アンカースクリュー■抜歯部位:矯正治療のための抜歯はない(病変のため₂は抜歯)■欠損部位:₇₇,₅,₅₆₇■治療経過①ペリオ,エンド,カリエス処置などの初期治療②臼歯部キャッピングをプロビジョナルレストレーションへ置換③左下臼歯部デンタルインプラント埋入④下顎前歯レベリング開始(.014Ni-Tiその後.016Ni-Ti)⑤同部UAにて圧下開始(.016×.016SS)上顎前歯部審美障害に補綴前矯正を行った症例■加治初彦

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