プロフェッショナルデンティストリーSTEP3
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Fig.4-3g CTによる大臼歯部領域のクロスセクショナル像。小臼歯部同様、上顎は十分な骨幅はあるものの、骨高径が不足している。また上顎洞粘膜の肥厚も確認できる。下顎骨は連続性を持った十分な厚みのある皮質骨が認められる。また骨梁も明瞭であり、骨幅も問題ない状態である。下顎管までの距離も十分にある。なお、本症例では下顎骨下縁皮質骨に十分な石灰化がみられる。この部分の石灰化が劣り、皮質骨が不鮮明になっているものは、骨粗鬆症が考えられる。Fig.4-3f CTによる小臼歯部領域のクロスセクショナル像。上顎骨歯槽頂の幅はあるものの、上顎洞底までの骨高径が不足している。皮質骨は不鮮明となっており、骨梁もはっきりしない。このような像を示す場合、骨質は不良で粗造な状態である。また、上顎洞底の皮質骨は鮮明だが、上顎洞粘膜が肥厚しており、慢性的な炎症の存在が考えられる。このように骨高径がない場合はサイナスリフトなどの骨増生が必要となるが、上顎洞外側骨壁には後上歯槽動脈が走行している上歯槽管が確認できること(Fig.4-4f参照)、ならびに上顎洞粘膜の肥厚があるため、耳鼻科との連携も取りながら慎重な診断と判断が必要である。下顎の歯槽頂の幅は十分にあり、骨質は十分に固い様相である。しかしながら骨内には陰影像を認め、粗な骨の部分があることが窺える。さらにその下方には下歯槽神経、動脈の枝となったオトガイ神経、オトガイ動脈が走行しているため、インプラント埋入時には注意を要する。ffggFig.4-3fFig.4-3fCTスライス面CTスライス面Fig.4-3gFig.4-3gCTスライス面CTスライス面Fig.4-3gFig.4-3gCTスライス面CTスライス面Fig.4-3fFig.4-3fCTスライス面CTスライス面上顎骨上顎骨診断用ステントに装着診断用ステントに装着したストッピングしたストッピング下顎骨下顎骨粗な骨質粗な骨質オトガイ孔オトガイ孔粗な骨質粗な骨質上歯槽管上歯槽管肥厚した上顎洞粘膜肥厚した上顎洞粘膜下顎骨下顎骨下歯槽管下歯槽管下顎骨皮質骨下顎骨皮質骨上顎骨上顎骨肥厚した上顎洞粘膜肥厚した上顎洞粘膜下顎骨皮質骨下顎骨皮質骨Chapter 4インプラント治療の基本的な考えかた127

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