プロフェッショナルデンティストリーSTEP3
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aaCase 4-15a、b もしもこの患者にブリッジを用いて治療するのであれば、5本の欠損部に対して9本の天然歯の支台歯が必要となる。20歳のこの女性がもしも自分の子どもであったなら、その治療を選択するであろうか?Case 4-15 先天性欠損に対する処置cc【症例の概要】 患者は20歳・女性である。先天性欠損歯が9本あり、矯正治療が終了した状態で来院した。欠損部にはパーシャルデンチャーが装着されていた。 近年では、このような先天性欠損の患者が多くみられるが、インプラントを使用することで、天然歯を削らずに治療ができるようになった。患者の年齢の面からも、いかに将来のリスクを上げないか、ということを考慮すべきである。bbddCase 4-15c、d 5本のインプラントを用いて欠損部の修復を行った。すでに無髄歯となっているは将来抜歯になるかもしないが、それ以外はすべてきれいな天然歯である。今後治療が必要になったとしても、できるだけ侵襲の少ない処置を行うべきであろう。Case 4-16 咬合崩壊を起こす前にやるべきこと【症例の概要】 患者は16歳・女性である。すでにをなくしており、の近心傾斜が始まっている。 安易なう蝕処置により歯を失ってしまった患者に対するインプラント治療は、咀嚼の回復よりも残存歯の保護が目的となる。aaCase 4-16a、b 正面からみるとそれほど大きな問題はないと思われるが、の欠損によりの近心傾斜が進行しており、このままでは6の挺出を中心に左側の咬合関係の崩壊が始まってしまう。ccbbddCase 4-16c、d にインプラントを埋入し、それをアンカーとしてのアップライトを行った。萌出過程ですべての智歯を抜歯した。たった1本のインプラントが、咬合崩壊を食い止めることにもつながる。Chapter 4インプラント治療の基本的な考えかた113

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