プロフェッショナルデンティストリーSTEP3
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Fig.3-1 ブリッジの適応症• 全身的既往歴に基づくインプラントの非適応症• 少数歯欠損でインプラントに際して複雑な外科処置が必要な場合• 両隣在歯にすでに補綴物が装着されている場合• すでにブリッジが装着されていて、生理的咬合と判断される場合Fig.3-1a 右のような場合にはブリッジが適応となる。現時点でインプラントが可能であっても、将来の補綴設計の合理性や費用を考慮して治療法を選択する必要があることを、ここで強調しておきたい。【支持組織】・歯槽骨吸収がない または少ない→歯根膜面積が広い・歯周病のリスクが低い【歯】・有髄歯・う蝕のリスクが低い・傾斜していない・太くて長い歯根→歯根膜面積が広い【補綴物】・十分な機械的強度・欠損歯数が少ない・欠損部近遠心的スペースが狭い・精密な適合と維持力・清掃性【咬合力】・咀嚼力が強くない→垂直力が強くない・パラファンクションは あってもわずか→垂直・側方力が強くない・上下歯列の位置関係や 歯列形態が適切で、 歯の中心に力がかかり やすい歯の中心部に圧がかかる強くない咬合力パラファンクション(-)もしくは少強くない側方力パラファンクション(-)もしくは少【垂直圧】【側方圧】ブリッジの好条件Fig.3-2 長期的予知性が期待できるブリッジの条件• 咬合力:機能時あるいはパラファンクション時の垂直・水平力が強すぎず、主として歯の中心部に作用する• 支台歯:有髄歯で歯根の条件が良好(長く太い)かつ不都合な傾斜を認めず、歯槽骨吸収は少ない• 補綴物:十分な強度を有し、支台歯と一体化している• 欠損歯数:少ない、あるいは欠損部の近遠心的スペースが狭い• う蝕、歯周病のリスク:低い 上記条件のすべてを満たすような状態では、先天性欠損や事故、および矯正治療後など限られた症例でしか歯の欠損が生じることはないと思bbccddFig.3-1b、c 参考症例。68歳・女性。は歯周病により抜歯が必要な状態となっている。インプラントを埋入するには近遠心的な幅径が足りない。もちろん骨の条件も悪い。Fig.3-1d 術後の状態。隣在歯を切削したが、歯髄を残すことができ、の幅径の調整をすることで、3ユニットのブリッジでバランスがとれた。術前・術後のプラークコントロールの変化にも注目していただきたい。Chapter 3ブリッジの基本的な考えかた57

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