プロフェッショナルデンティストリーSTEP3
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1欠損修復の治療オプションとしてブリッジをどう考えるか 欠損修復の治療オプションは、前述のごとくインプラント、ブリッジ、デンチャーが挙げられるが、力学的観点と歯への侵襲の点から、インプラントを基本的な第一選択と考える。 しかし、コントロールされていない重篤な糖尿病、ビスフォスフォネート製剤にて治療中の骨粗鬆症、悪性腫瘍に対する放射線治療後など、全身疾患や使用薬剤によって骨外科処置ができない場合や、経済的あるいは精神的理由でインプラントを適応できない場合が存在する1)。また、すでに隣在歯が補綴あるいは大きな修復がなされていたり、インプラント埋入に必要な近遠心的スペースが不足している場合、そしてインプラントを行うために複雑な複数回の手術を要する上に、審美的に満足する結果が得にくいと判断される場合には、ブリッジが最善となることもある。ゆえに現在も、また今後しばらくも、ブリッジが欠損に対する処置としての選択肢からなくなることはないであろう。 ブリッジは、基礎資料を分析し、口腔全体を診断して、現在と将来(終末像)を考慮した上で、審美的、機能的、生物学的、予知性、経済性を総合的に検討した結果、インプラントやデンチャーよりもブリッジに軍配が上がる場合に適用される(Fig.3-1)。そして、予知性が高まるよう条件を整えた後にブリッジを実践することで、はじめて歯科医療として成立するものとなる。2ブリッジの補綴設計1)予知性の高いブリッジに求められる条件 そもそも、ブリッジで行われている『欠損歯部に加わる咬合力を、支台とした隣在歯に負担させる』こと自体が、医療行為として成立するのかとの疑問が湧いてくる。その点においては、インプラントのほうが安心感があるという事実は否めず、それゆえに欠損修復の第一選択はインプラントとなるわけである。しかし臨床的には、長期的に維持されているブリッジは存在している。その条件をFig.3-2ならびに以下に示す。Chapter 3ブリッジの基本的な考えかたChapter 3-1ブリッジにおける診査・診断Chapter 3-156

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