プロフェッショナルデンティストリーSTEP3
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1欠損修復の種類 平成23年歯科疾患実態調査などの推移から1)、今後も日本人の喪失歯数の減少が推測される。言い換えれば残存歯数が増加するということであり(Fig.2-1)、またその残存歯の状態、配置も複雑なものになる可能性も高いことから、欠損修復の良否が患者の『健康でしっかり噛める』というQOLに大きく関与するといえる。 一般的に部分欠損修復には、インプラント、ブリッジ、デンチャーが考えられるが(Fig.2-2)、パーシャルデンチャーはあえて言えばどのような欠損形態であっても対応できる反面、残存歯の負担、粘膜の負担を避けることができない。 現在はインプラントを適切に用いることにより、補綴設計や治療全体を単純化することができるようになってきた(Fig.2-3)。インプラントは臼歯部少数歯欠損に対する機能回復はもちろん、残存歯への侵襲を回避するという利点は大きい。特に欠損歯数が多数の場合、ブリッジで対応するよりも設計を単純化できることから、何らかの理由で再治療が必要になった場合にも、最小の処置で対応できる利点がある。 その一方で、前歯部のインプラント修復は臼歯部よりも審美的な要求が高く、その埋入位置の厳密さはもとより、硬・軟組織の扱いなど、手技の熟練が求められる。また審美領域であるがために、再治療が必要になった際の対応の難しさも考慮すべきである。ゆえに前歯部では、『ブリッジを適応させるのか、インプラントを適応させるのか』を十分に検討しなくてはならない。Chapter 2欠損修復オプション選択のガイドライン欠損修復を行う前に考慮することChapter 2-128

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