周術期口腔機能管理の基本がわかる本
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124大学病院でのシステム例①長崎大学病院大学病院でのシステム例②東邦大学医療センター大森病院一般病院でのシステム例市立池田病院歯科の併設がない病院の場合の例長崎県歯科医師会 (開業歯科医院による対応)大学病院における取り組みの現状大学病院でのシステム例②東邦大学医療センター大森病院一般病院でのシステム例市立池田病院大学病院における取り組みの現状大学病院でのシステム例①長崎大学病院 歯科が併設されている病院では,院内歯科において周術期口腔機能管理を実施することが可能と考えられるが,歯科の併設のない病院においてどのようなシステムを構築するかが課題である.県歯科医師会が,がん治療を担当する病院,歯科のある大学,行政,各地域の歯科医師会の間に入って,すべての県民が良質な周術期口腔機能管理を受けることのできるような体制をつくる調整役となることが望ましい.ここでは,長崎県歯科医師会が行ってきた取り組みについて紹介する. 長崎県歯科医師会においても,日本歯科医師会・国立がん研究センター連携事業が2013年度に開始されることとなり,2012年度から事業実施に向けて準備を開始した.本事業を実施するにあたり,①がん診療連携拠点病院との情報交換,②歯科の併設されていない病院へのアプローチ,③行政との連携,④歯科医師,歯科衛生士の養成,などが問題点として挙げられた.長崎県歯科医師会は,これらのことを検討する目的で,口腔機能管理臨時委員会を立ち上げた.5吉田 敏1)2)1)長崎県歯科医師会 2)長崎県長崎市開業:よしだ歯科 長崎県では長崎大学病院をはじめ,がん診療を行う主な病院が集まり,「長崎県がん診療連携協議会」が組織されている(図1).これまで同協議会には歯科医師会は参画していなかったが,情報を提供し本事業の理解を得るには,まずこの協議会に参画することが必要であると考えた.協議会の議長でもある河野 茂長崎大学病院長,および芦澤和人がん診療センター長のご尽力により,2012年度より同協議会および幹事会に参画することとなり,がん診療連携病院との情報交換の場をもつことができた.2012年度の幹事会および協議会の場で周術期口腔機能管理について説明したところ大きな反響が得られ,その後の各病院との個別協議にとってプラスになったと考えられる.1.がん診療連携拠点病院との情報交換 歯科の併設がない病院の場合の例(開業歯科医院による対応) ~ ~システムづくりと歯科医師・歯科衛生士への研修,口腔管理の実際図2 長崎市立市民病院における訪問歯科診療図1 長崎県がん診療連携協議会長崎県歯科医師会

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