必ず習得しておきたい歯科医院のための救命救急処置
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49Chapter2全身的偶発症の対処法図1歯科治療における全身的偶発症の種類と発生頻度全身的偶発症はいつどこで起こっているのか? 全身的偶発症は,患者が来院したときから帰宅した後まで,いつでも起こりうる.ただ,全身的偶発症の4割以上が局所麻酔をするときに発症しており,歯科治療中~歯科治療が終わった直後に発生したものを加えると,全体の3/4以上となっている(図3).つまり,歯科治療行為が多くの偶(文献1より引用改変)神経原性ショック33.9%過換気症候群 10.1%血管収縮薬過敏症 7.0%局所麻酔薬アレルギー 6.2%気道閉塞 1.6%不整脈 1.6%てんかん発作 1.9%脳卒中 2.7%局所麻酔薬中毒 3.5%異常高血圧 3.9%低・高血糖発作 4.3%虚血性心疾患 4.7%その他・不明18.7%日本歯科麻酔学会が全国郡市区歯科医師会を対象として行った,2005年~2008年の4年間に発生した偶発症に関するアンケート調査のうち,回答のあった251症例の内訳.図2歯科診療における死因分類とその原因となりうる偶発症心不全31%100%90%80%70%60%50%40%30%20%10%0%脳血管障害25%窒息 12%薬物ショック9%死亡に至る原因となりうる全身的偶発症その他・不明てんかん発作過換気症候群血管収縮薬過敏症局所麻酔薬中毒低・高血糖発作不明 23%虚血性心疾患不整脈異常高血圧神経原性ショック脳卒中気道閉塞局所麻酔薬アレルギー(文献5より引用改変)死因は日本歯科麻酔学会調査45例2~4と新聞報道等による計57例より分類.歯科治療における全身的偶発症の多くは,死亡に至る原因となる可能性がある.

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