102症例で知るインプラント日常臨床
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咬合サイナスリカバリー審美矯正オーバーデンチャーメインテナンスGBR6章 GBR症例の概要患者年齢および性別:44歳、女性主訴:前歯をきれいにしてほしい。診断:の歯根破折と歯肉の退縮、変色による審美障害。問題点: ①審美領域のインプラント、②歯間乳頭、③歯肉変色、④骨量の不足、⑤薄い歯肉。術後:はインプラントによる欠損補綴。処置内容とその根拠 審美領域における前記の問題に対して以下の処置を行った。①CT画像による残存骨量の診断とシミュレーション、②プロビジョナルレストレーションによる歯肉縁上・縁下の形態調整、③炭酸ガスレーザーによる歯肉切除、④人工骨を用いたGBRによる骨欠損部の骨再生、⑤インプラント唇側の結合組織移植により生物学的比率を改善し、インプラント辺縁粘膜の退縮を防ぐ。術後8ヵ月時点において経過は良好である。81上顎中切歯欠損症例におけるインプラント間の乳頭再生井汲憲治(群馬県開業)図5 抜歯2ヵ月半後に粘膜を剥離した。CT画像での診断どおり唇側の骨の吸収が顕著であった。図9 結合組織移植1ヵ月半後に小さな切開を行い、テンプベース・アバットメントを装着した。図1 の歯肉の退縮と変色が認められ、審美障害が顕著であった(初診時)。図6 計画した位置にインプラントを埋入したところ、2スレッド分の裂開型の骨欠損が生じた。図10 テンプベースのプロビジョナルレストレーションにて、歯肉の縁上・縁下の形態を調整した。図2 初診時のデンタルX線写真。上顎左右中切歯の歯根には破折が認められた。図7 GTAM下に人工骨を置き、ボーンタックを用いて膜の辺縁の封鎖を行った。図11 上部構造は術者可撤式(サイドスクリュー)。適合性や周囲骨の状態は良好である。図3 CT画像では歯根唇側の歯槽骨は吸収しインプラント埋入には骨幅が不足していた。図8 4ヵ月後にGTAMの除去を行い、口蓋より採取した結合組織を骨膜下に移植し、縫合した。図12 上部構造装着8ヵ月後。インプラント間乳頭の再生が認められ、上部構造と周囲粘膜は調和している。図4 人工歯を除去したところ歯根の破折と二次カリエスが顕著であり、保存不可能であった。106

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