102症例で知るインプラント日常臨床
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咬合サイナスリカバリー審美矯正GBRオーバーデンチャーメインテナンス1章 インプラント咬合症例の概要 患者は60歳、女性。の歯根破折による疼痛のため来院。Eichner分類のB4であった。左下の欠損に対し以前他院で部分床義歯を製作したが、使用していない。そのため、前歯部が若干フレアーアウトを起こし、咬合高径の低減も疑われた。患者は部分床義歯による治療を拒み、固定式の補綴を強く望んでいた。加えて、審美的な仕上がりも望んでいた。処置内容とその根拠 患者の希望により、にインプラントを用いた治療計画を立案した。一次診断用ワックスアップによる検討の結果、インプラント間距離が3mm以下のインプラント配置が必要な部分も生じるので周囲骨や軟組織を維持しやすいコニカルテーパージョイントのプラットフォームインプラントを用いることにした。オッセオインテグレーション獲得後2回の診断用ワックスアップ、それに基づいた複数回のプロビジョナル製作を行った。これにより患者の満足する咬合を得ることができた。27プロビジョナルレストレーションを活用したインプラント咬合再構築症例福留淳一(東京都開業)図8 補綴後の右側開口位。臼歯部はMBで修復した。図11 同左側面観。図12 同側方顔貌。患者から本来の自然な口元が得られたと満足いただいた。図10 同正面観。上顎前歯部は、二ケイ酸リチウムクラウンで修復した。図3 同左側面観。、を喪失。が歯根破折のため腫脹している。図7 三次診断用ワックスアップから製作した二次プロビジョナル。図4 Aesthetic Sequence In-formation Transfer Systemを用いて患者の審美情報を採得した。図1 初診時右側面観。、が欠損している。右下臼歯部は抜歯後時間が経過しているため骨吸収が認められた。図5 採得した審美情報に基づいて咬合器に付着。図9 補綴後右側面観。図2 同正面観。前歯がややフレアーアウトしている。部にフィステルが観察される。図6 三次診断用ワックスアップ。複雑なケースでは一次診断用ワックスアップは患者コンサル用の意味合いが強い。42

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