基礎から臨床がわかる再生歯科
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インプラント治療のための骨造成CHAPTER 4234基礎から臨床がわかる 再生歯科肉の量が成否に大きくかかわってきます.GBRを行う際は,かなりの高頻度で減張切開(CHAPTER27手術の基本・CHAPTER45自家骨による骨造成のテクニック参照)が必要となります.つまり,骨のボリュームが増えるため,それを包み込む軟組織を伸展させなければならないからです.軟組織が脆弱であると創の閉鎖が上手くいかず,裂開の原因となります.もちろんその際の縫合も大切で(CHAPTER27手術の基本参照),ゆったりとそしてぴったりと閉鎖できる創面となるようにしましょう.GBRを行う量(骨欠損の程度)により,必要な軟組織の量が変わってきますが,角化歯肉の厚みが2 mm以上は必要でしょう.幅は5 mm程度以上確保しておきたいところです. 以上挙げた診査はパノラマやデンタルエックス線写真での診断は必須ですが,CTによる診査も極力加えるようにしましょう.インプラント治療において今やCT撮影は必要不可欠なものであるといえます.確実な診断を行い,またトラブルを避けるためにも,事前の情報収集は積極的に行うようにしましょう.GBRの使用材料メンブレン GBRではメンブレンを用います.メンブレンを用いることで垂直的または水平的な骨量を増大することができますが,できる量には前述のとおり限りがあります.5 mm以上の垂直的骨造成を行う場合はGBRでは困難です. メンブレンの基本的な特性(必要な条件)には以下が挙げられます8,9.①生体親和性②細胞遮断性Table 3 メンブレンの種類と特徴. は性能・入手のしやすさなどから筆者が現在推薦するもの.*推薦図書3より引用種類製品名特徴吸収時間メーカー吸収性メンブレンOsseoGuardⓇ(オッセオガード)吸収時間が長い吸収性コラーゲンメンブレン.GBRを行ううえで理想的なメンブレン.必要に応じてタックや縫合で固定することも可能.26~38週BIOMET 3i社(米国)CYTOPLASTⓇ(シトプラスト)RTM Collagen吸収時間が長い吸収性コラーゲンメンブレン.26~38週Osteogenics 社(米国)Bio-GuideⓇ(バイオガイド)ブタ由来の吸収性コラーゲンメンブレン.優れたバリア機能をもつ生体吸収性メンブレン.自然と骨壁にフィットするため余分な固定は必要ない.16~24週Osteohealth社(米国)BIOMEND EXTENDⓇ(バイオメンド・エクステンド)吸収時間が短い吸収性コラーゲンメンブレン.14~18週Zimmer Dental社(米国)ConFORMⓇ(コンフォーム)吸収時間が短いコラーゲンからなる吸収性メンブレン.欠損部に自然にフィットして扱いやすい.特有の繊維により伸張性に優れ,メンブレンの安定性を強化する.12~20週ACE社(米国)非吸収性メンブレンGore-Tex TR Mem-braneⓇ(ゴアテックスTR メンブレン)スペースメイキングが必要な大きな欠損に対する骨造成に最良.非吸収性Gore-Tex社(米国)CYTOPLASTⓇ(シトプラスト) GBR 200薄型チタン強化メンブレン.厚さ250μmの薄型チタンメンブレン.高密度なフッ素樹脂(d-PTFE)を使用.窒化チタンコーティングされているので,酸・溶解・高温に対する耐久性に優れている.非吸収性Osteogenics社(米国)推薦推薦推薦推薦GBRの使用材料

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