歯科臨床イヤーノート
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SECTION 2308PARTⅡ 各科1)歯髄・根尖歯周組織疾患の検査・診断(1)検査に用いる器材・器具①歯科用ミラーとピンセット・打診,動揺度測定②ポケットプローブ・歯周ポケットの深さを測定できるが,ポケットが深くて根尖部まで到達している場合や,1箇所だけ歯周ポケットが深い場合などを確認することができる.また,分岐部病変の有無を確認することができる.③エアシリンジ・歯面に吹きかけて痛みが生じるかを見る.④�合紙・�合と歯の痛みとは密接な関係があるので,上下の�合関係の把握は大切である.⑤電気的歯髄診断器・歯に微量な電流を流し,その反応を見ることで歯髄の生活力の有無が判定できる.⑥温度診(冷熱診用)・エアゾールを付属のスポンジペレットに吹きかけると気化熱の関係で冷却され,氷塊ができる.この氷塊を歯に当てて,その反応を見ることで歯髄の生活力の有無が判定できる.(2)主な検査方法①歯髄診(図9~13)・歯髄・根尖歯周組織疾患の検査の中でもっとも重要な検査は,患歯の歯髄の生活力の有無である.生活力の有無により診断名が変わるだけでなく,治療方法も大きく変わることになる.生活力がある場合はできる限り歯髄を残すということを第一に考える必要がある.また,治療の際には局所麻酔が不可欠となる.生活力がない場合は,根尖歯周組織への炎症などの波及を食い止めるためにも根管治療が必要となることが多い.この際には基本的に局所麻酔は行わないでよいことになる.・歯髄診には電気診,温度診(冷熱診,温熱診)がある.メタルの修復がされていない,あるいはされていても歯肉と触れていない場合は電気診が第一選択となる.メタルが歯肉と触れている場合,電流は漏洩してしまうので電気診は使えない.その場合は温度診(冷熱診)が用いられる.患歯に熱したガッタパーチャなどを当てる温度診(温熱診)は第一選択としないのが一般的である.また,電気診と温度診(冷熱診)の両方を実施するとより確実に歯髄の生活力の有無が判定できる.2.診療計画(検査・診断を含む)

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