口腔筋機能療法 MFTの実際(上巻)
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73第8章 動機づけ第1部 基礎編て前回と今の状態を見比べて、少しでも良くなっているところがあれば、「すごいじゃない、がんばったね!」などと伝えます。 子どもには、何か励みになる『ご褒美』を設定することも効果的です。私たちの診療室では、皆が『おもちゃそうこ』と名づけている棚があります(図86)。あらかじめ1つの課題とそれと対応したご褒美を約束しておき(図87)、課題をクリアしたときには称賛のことばとともにプレゼントします(図88)。このご褒美は、もちろん本人へのご褒美なのですが、同時に治療に関わりを持つご家族、そして私たちスタッフへのご褒美でもあります。安価なものでも、そこに患者本人への称賛と、協力してくださったご家族への感謝と、そして私たちの喜びが投影されることにより、値段以上の価値のあるものになります。 「歯がけっこう動いてきた」「しっかり歯を磨いていったからほめてもらった」「1つ課題がクリアできたからご褒美をもらった」などといううれしい感情、すなわち『やりがい』を積み重ねることで、『やる気』を持続させることができ、最終的なゴールに無理なく導くことにつながります。図86 当院の『おもちゃそうこ』。子どもたちのやる気を助ける。図87 子どもが課題を達成できたときにもらえるご褒美を選んでおく。図88 称賛のことばとともにご褒美を渡す。

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