口腔筋機能療法 MFTの実際(上巻)
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49第6章 診療室への導入第1部 基礎編にくくなるばかりか、指導者本人のストレスにもなりかねないと思います。そこで可能であれば、指導者がMFTにかかりきりになれる日、または時間帯を設定し、患者を集中的に指導するようにするのがよいと思います。著者らの診療室では、MFTを行っているあいだは、指導者の集中力が途切れないように、一切チェアーサイドアシスタントは行わなくてもよく、電話に出る必要もなく、もし電話がかかってきても緊急時以外には取り次ぎをしないなどの配慮をしています。 MFTの初診は、診査、説明などに約1時間を要するため、できれば混雑しない時間帯にアポイントを取るようにしています。通常、1回のレッスンに要する時間は内容により15分から30分くらいですが、まだ指導になれていない場合には、やや多めに時間を取ったほうがよいでしょう。また、患者の筋肉の状態だけでなく患者の性格も、時間配分を行う際に考慮しなければならない要因です。 アポイントの間隔は、子どもの場合には2週間に1回程度のほうがやる気を持続しやすいと思いますが、保護者の協力が得られる場合や成人患者の場合には、4週間に1回の間隔でも大丈夫なことが多いです。 また歯科治療とMFTの指導を同日に行う場合、MFTの予約時間を歯科治療の前に取るほうが、全体の進行が円滑な場合が多いようです(図46)。診療室にもよりますが、歯科治療は口腔内の状態や装置の破損などにより予定時間より診療時間が伸びてしまうこともありますが、MFTは指導に熟練することにより、予定された時間内に確実に終えることが可能です。また、MFTを行ったうえで歯科医師に相談がある場合には、そのまま診療室に同行することも可能です。ただし、咬合が不安定な場合や装置が破損して不自由が生じているときなどには、MFTに先立って歯科治療を行う必要があります。図46 MFTの予約を歯科治療の前にとるほうが、全体のアポイントが乱れにくい。ユニット1ユニット2ユニット3MFT2:30患者1患者2患者3患者A2:45患者A患者B3:00患者B患者C3:15患者C患者43:30患者5患者D

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