口腔筋機能療法 MFTの実際(上巻)
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12 口腔筋機能療法(Oral Myofunctional Therapy; OMTまたはMFT)は「歯列を取り巻く口腔周囲筋の機能を改善する訓練法」です1-3)。 歯列は、舌・口唇・頬などの口腔周囲筋からいつも圧力を受けています(図1)。内側からは舌の、外側からは口唇や頬の力がそれぞれ歯列に及びます。健康な歯列・咬合が長期にわたって保たれるためには、これらの口腔周囲筋からの圧力が均衡を保っている必要があります4-6)。また、咀嚼・嚥下・発音・呼吸など口腔と関連した機能が正しくないと、歯列に及ぶ筋圧のバランスが崩れ、不正咬合や矯正歯科治療のリラップス(後戻り)などの原因となります7-11)。 MFTによる口腔周囲筋の機能改善は、歯列の正常な形態を維持するための環境づくりであり、筋圧の不均衡に起因する問題の1つの解決策です(図2)。 MFTは、個々の筋肉の訓練、咀嚼・嚥下・発音の訓練、安静時における口唇と舌の位置(姿勢位)の訓練などによって構成され、口腔周囲筋の弛緩や過緊張を取り除き、歯列に及ぶ筋圧のバランスを整え、それを維持することを目指す訓練法です(図3)。1.MFTの定義第1部 基礎編章1第MFTとは

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