口腔外科治療 失敗回避のためのポイント47
4/8

99切開・剥離・骨削第2部 手術の基本編剥離子や鋭匙を用いて嚢胞壁と骨の間を剥離します.それから開窓部分を拡げます(図2‒6‒4a~c).Ⅲ 骨削用の器具骨削のための器具は下記のように数種類があり,各々の特性を踏まえて選択します.1.ハンドピースとバー骨削効率と患者の忍耐度を勘案すると,ハンドピースとバーを用いた骨削が最適です.5倍速エンジンのハンドピースに,ラウンドバーやフィッシャーバーなどのカーバイドバーをセットし,3,000〜5,000 rpmで回転させます.骨削は必ず注水下で行い,切削によって生じる熱で骨に為害作用が生じないようにします.2.マイセル(骨ノミ)とマレット骨ノミには片刃と両刃がありますが,一般的に骨削には片刃を用います.丸ノミは主に抜去予定歯周囲の歯槽骨や嚢胞摘出の骨削などに,角ノミは骨隆起など比較的大きな骨削を行う際に用います.あらかじめ小さめのラウンドバーで骨表面にガイド溝を形成し,そこから少しずつマレットを打ち込み骨削します.骨削用の骨ノミは片刀構造なので,刃の進行方向をよく見極めることが重要です(図2‒6‒5).なお骨削の方法は可及的に一塊として骨塊を切除・摘出する方法もあります(第3部口腔内処置編:Oral Operative ※図2‒6‒2 レストをおき(※印),可及的に骨面に対して垂直に切開を加える.1回目は粘膜層,2回目は骨膜を切離する.abcd図2‒6‒3a~d 剥離法の違い.a,c:小さめの剥離子で剥離開始.b,d:幅広の剥離子で進める.

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です