口腔外科ハンドマニュアル’12
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DENTAL SURGERY UP-TO-DATEChapter1-2DENTAL SURGERY UP-TO-DATEChapter1-249『科学的根拠に基づく口腔癌診療ガイドライン2009年度版』についてATLAS 「口腔癌診療ガイドライン」は(一社)日本口腔腫瘍学会と(社)日本口腔外科学会の合同委員会で口腔がんの診療に携わる医師および歯科医師を対象とし,表1の内容を目的として作成されている.その内容は治療法についての一応の目安を示すものであり,ガイドラインに記載された内容と異なる治療法を施行することを規制または否定するものではない.それゆえ,治療法の適応にとどめ,各治療法の技術的問題には立ち入らないことを原則とした.また,適正な治療法を示すために表2の点に留意した. 本ガイドラインは科学的根拠に基づいて作成することを原則とし,内容の作成にあたっては診療および治療のアルゴリズムをまず掲げた.つぎに各章でその内容の全体的な解説を行い,さらに臨床上の疑問(Clinical Question:CQ)を抽出した.CQは診療項目ごとに作成し,その回答,解説,コメントを述べ,引用文献(エビデンス)の評価を行い,可能なCQについては推奨グレードを附した.また,検討した論文の構造化抄録も提示した.「口腔癌診療ガイドライン」の治療法の解説ATLAS 「口腔癌診療ガイドライン」全般について詳述するには誌面が足りないため,今回は本ガイドラインの骨子である診療アルゴリズム(図1)について解説し,さらに重要項目について説明する.本診療アルゴリズムはこれまでの学術論文,各種ガイドライン1,2,口腔癌ならびに頭頸部癌取り扱い規約3~7を参照し,EBMに根ざして作成されている.本アルゴリズムでの治療体系はTN分類に従って病態を6つに分類し,これらの初回治療,再発時治療について基本的指針を示している.口腔癌診療アルゴリズムATLAST1 N0,early T2 N0 原発巣の外科的切除もしくは小線源治療を行い,必要があれば予防的頸部郭清を,さらに術後補助療法も考慮する.篠原正徳熊本大学大学院生命科学研究部総合医薬科学部門感覚・運動医学講座歯科口腔外科学分野連絡先:〒860‐8556 熊本県熊本市中央区本荘1‐1‐1Clinical Practice Guidelines of Oral CancerMasanori ShinoharaDepartment of Oral & Maxillofacial Surgery, Sensory and Motor Organ Sciences, Faculty of Life Science,Kumamoto Universityaddress:1-1-1, Honjyo, Chuo-ku, Kumamoto-shi, Kumamoto 860-8556特集2:口腔外科医が知っておきたい診療ガイドライン口腔癌診療ガイドライン巻頭アトラス 最新の外科潮流を知ろう

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