歯列育形成の実際
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181 前突CASE 21112112CASE21混合歯列期(ⅢA)永久歯列期(ⅢC)よく見られる上下前突である。上下顎とも歯列弓が狭窄して、永久切歯が前方へはみ出した形となっている。わずかなⅢ級傾向と相まって、下顎切歯が前方にでている状態にあわせて、 は唇側転位している。 は歯槽骨とともに前突の状態であったので、患者さんからは、歯肉を中へひっこめたい、という要望であった。年齢:7歳7か月 男子乳歯列弓形態:上下顎歯列弓狭窄、 前突咬合状態: わずか乳歯列Ⅲ級傾向主な処置方針:上下顎側方拡大、永久切歯の位置後方へ修正、Chin cap使用、 歯槽部中へ入れる初診時の主な所見 前突:歯槽部突出を歯頸部誘導線で改善1121129歳6か月 下顎も側方拡大とともに を舌側にいれる。7歳11か月 このように著しい狭窄の症例は、余分に側方拡大する必要がある。この時点では、 のみ歯頸部誘導線で歯槽骨ごと中に入れる。8歳3か月 だけの歯頸部誘導線を に作用するものに交換した。16歳1か月 歯槽部突出はかなり改善したが、 がしっかり咬合せず不安定さが残ってしまった。今後ある程度はもっと咬頭嵌合していくであろうと思われる。 がⅢ級傾向であることも残された問題である。もっと早い時期から歯列育形成を開始していればこの問題はなかったであろうと考えられる。7歳7か月 初診時 歯肉の前突感をなくすために、 の歯槽部を舌側にいれる必要がある。すなわち傾斜移動でなく歯体移動であって、歯槽骨の形を変化させることになる。萌出して間もない歯牙はこの変化を与えやすい。10歳5か月 もう一度 の遠心を中へ入れる。被蓋が深くなりすぎたので、圧下ポイントをつけた。13歳10か月 一般的な唇側誘導線でもさらに を舌側に入れるため、 を遠心移動している。112112EEEE1111112112332112233667歳7か月7歳7か月16歳1か月16歳1か月9歳6か月10歳5か月7歳11か月8歳3か月図Ⅶ-26 の歯頸部誘導線。図Ⅶ-28 の歯頸部誘導線。図Ⅶ-27 の歯頸部誘導線。 萌出後あるいは 萌出後の症例で、4切歯に歯頸部誘導線をつけてもよい。実際には、スペーサーは2歯ずつあけたほうがプレートの維持がよい111110歳10か月 少し時期が遅くなったが標準経過態になった。10歳10か月標 準 経 過 態13歳10か月11112112211211211222311322赤斜線はスペーサー赤斜線はスペーサー

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