歯列育形成の実際
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180永久切歯の開咬CASE 20CASE歯列・咬合の継続管理の実際Ⅶ20混合歯列前期(ⅡC)永久歯列期(ⅢC)この開咬症例は、永久切歯の萌出直後または萌出中の時期である。一般に乳歯列期にすでに開咬であると、被蓋の状況によってはいくぶん改善する症例もあるが、ほとんどそのまま永久歯列に移行すると考えてよい。永久切歯に交換する際、またはそれ以前に二次的に挿舌癖などにより、さらに悪化することもあり得る。本当はこのような症例は、〈CASE4〉の症例のように乳歯列期より処置を行うべきであった。開咬は一応治ったが、下顔面が高いのが少し残ってしまった症例である。年齢:7歳0か月 男子乳歯列弓形態:上下顎歯列弓狭窄、 前突咬合状態: 関係乳歯列Ⅰ級 overbite -4.5mm主な処置方針:上下顎側方拡大、 舌側へ配列、上下顎切歯挙上初診時の主な所見EE1111永久切歯の開咬:永久切歯を挙上する1121127歳0か月 初診時 開咬のよくあるタイプで、上下(乳)歯列弓は狭窄されている。そのため上下前突となっている。10歳5か月 が脱落、またはそれぞれ早めに抜去して、 のみ上下当たるようになったら、咬合を低くして下顔面高を低くするため、咬みしめ訓練をする。この時期以後に咬合を低くするのは、かなり注意を要する。9歳8か月 さらに 歯槽部を凹ますため、歯頸部誘導線のプレートにした。 の歯槽部に対しても歯頸部誘導線を用いた(次頁図Ⅶ-28参照)。 に保持兼挙上ポイントを付着。7歳6か月 挙上ポイント付着。唇側誘導線で を下方に下げている。 はアクロススプリング(P188参照)で近心によせられ、離開は一応閉鎖した。11歳0か月 側方歯群交換期には、プレートの維持が不十分になることが多い。そのため に保持ポイントをつけてある。 は挙上兼回転ポイント。10歳4か月 下顔面高が高い症例なので、余分に側方拡大する必要がある。8歳10か月 の歯槽部突出を歯頸部誘導線で治している。この場合 の歯槽部にスペーサーを置くことを忘れてはいけない。8歳1か月 に挙上ポイントがついている。さらに側方拡大によって(乳)歯列弓の狭窄を治す。 間 間も拡げられ、かなりスペースの獲得も行われた。11111112112CCCC2112211233DDEEDDEE6666211221125557歳0か月7歳0か月8歳10か月10歳4か月11歳0か月10歳5か月8歳1か月10歳5か月9歳8か月8歳1か月11歳0か月7歳6か月図Ⅶ-25 に挙上ポイントをつけ、誘導線で挙上しているところ。 が萌出したら、 にも挙上ポイントをつける。挙上の力を作用させるのは、1~2歯ずつ行ったほうが効果が上がる。舌側歯槽部にはスペーサーが必要である。112222挙上ポイントアクロススプリング先端1BCC1

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