歯列育形成の実際
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98 歯列育形成は、乳歯列期から永久歯咬合が形成されるまでの継続管理と処置である。 乳歯列期に使用されるプレートは、大部分が図Ⅴ-3に図示されているような基本設計またはそれに近いものである。 乳歯列Ⅱ級の症例の場合は、上顎には基本設計のプレートの形で、レジン部にはAdvancing plate(P108)の機能を持たせたものを使用することが多い。 乳歯列Ⅲ級の場合は、下顎には基本設計のプレートの形で、レジン部には斜面板プレート(P109)の機能を持たせたものを使用することが多い。 歯列育形成を開始する患者さんに、最初に使用するプレート(前段階プレート、P97)も、乳歯列Ⅰ級の症例は、ほとんど基本設計のままであるが、乳歯列Ⅱ級の症例はAdvancing plate(P108)であり、乳歯列Ⅲ級の症例は斜面板プレート(P109)であることが多い。乳歯列期のプレートの最も大きな目的は、側方拡大であることが多い。乳歯列期の側方拡大の概念図を下に記載した。参考図Ⅴ-3 乳歯列プレート※基本設計、咬合面側から見たところ。※歯列育形成では、このプレートという用語について、患者さんに対しても、矯正床あるいは床矯正のように、床という言葉は使用しない。乳歯列期(ⅡA期)1)このスペーサーは不要のこともある・唇側誘導線 0.7mm 18.8鋼線・ ハーフクラスプ 0.7mm コバルト線・ ハーフクラスプ 0.8mm コバルト線・唇側誘導線 0.7mm 18.8鋼線・ ショートクラスプ 0.7mm コバルト線・ ショートクラスプまたはフック 0.8mm コバルト線ショートクラスプにしてもよいショートクラスプにしてもよい保持ポイントつけてもよい保持ポイントつけてもよいスペーサーCCEECCEE上顎および下顎プレートの基本設計2歯列育形成に使用する装置Ⅴ図Ⅴ-4 乳歯列基本設計。下顎左側クラスプ(上顎は図Ⅴ-12参照)。図Ⅴ-5 乳歯列上顎プレート基本設計、正面から見たところ。図Ⅴ-6 狭窄した乳歯列弓を側方拡大した時の概念図。 ショートクラスプ ハーフクラスプ ハーフクラスプ フックCBCDEBCDEECE唇側誘導線狭窄した乳歯列を側方拡大乳歯列期乳歯列期

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