インプラント症例ファイル2012
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骨吸収が起きた症例に対して非外科的な方法で対処した場合、骨吸収が再発することが多いので、外科的にフラップを挙上し不良肉芽を掻爬、切除的療法を用いて治療する(症例1-a、b)。現在のところ、インプラント表面の除染の方法が確立されていないため、GBR法による骨再生は行っていない。治癒後、ラフサーフェイスが露出してしまうことがあるが、プラークコントロールが十分に行なわれていれば問題なく経過する(症例1-c)。 さらにインプラント埋入時にGBRを併用したケースでは骨移植材料が完全に骨に置換されていないものもあり、そこに感染が起きると外科的にその部位を掻爬する必要が出てくる。そのようなケースにおいては、上部構造を装着して何年も経過してから起こることも珍しくない。したがって、インプラント埋入時のGBRでは骨に置換しなかった骨移植材料が結合組織内に残存してしまうため、骨欠損の形態を考慮したGBRを行うべきであ切除および再生療法表1 歯の喪失率に関するBeckerら2、3)の研究(1984)診断治療メインテナンス10年間における歯の喪失率○××3.6本○○×2.2本○○○1.1本図1 CIST(累積的防御療法)の治療の流れ(文献7より引用)。インプラント周囲炎への対処法27

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