インプラント症例ファイル2012
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患者の平均22年間における歯の喪失率は0.09本/年であった。またBeckerらの報告2 )での年平均喪失歯数は0.11本/年である一方、 メインテナンスに応じなかった場合は0.22本/年であった3)。今回の調査において歯の喪失率は0.12 本/年であった(表5)。また、全体の6.27%(n=37)にインプラント治療がなされ、 失敗により除去されたものはなかった。 インプラント補綴部位を含んだすべての天然歯に対する長期の継続したメインテナンス治療こそ、歯の喪失率を最小限に保つ重要な鍵となるであろう。図1-a図1-b図2-a図2-b表4 各期間における抜歯数時期総歯数平均抜歯数年平均喪失率動的期間中255本2.50本0.77本/年メインテナンス期間中84本0.82本0.12本/年総期間中339本3.32本0.35本/年表5 各報告者による平均メインナンス期間と喪失歯報告者報告年国名患者数平均メインテナンス期間喪失歯Hirschfeldら1978年米国600名22年0.09本/年Mcfallら1982年米国100名19年0.14本/年Beckerら1984年米国95名6.5年0.11本/年Beckerら1984年米国44名メインテナンスを行わない5.25年0.22本/年Beckerら1979年米国30名治療を行わない3.72年0.36本/年Tonettiら2000年スイス273名5.6年平均1.0本Sekiら2011年日本102名6.69年0.12本/年図1-a、b 初診時:1980年、患者は27歳の女性。SPTのため現在まで30年以上継続して通院。BOP 1.8%、PCR8%、4mm以上のPD占有率1.8%(最終来院時)。図2-a、b 初診時の口腔内およびパノラマX線写真。図1-c メインテナンス治療中のフルマウスX線写真(2011年)。図2-c 患者は42歳男性、 喫煙者。重度歯周炎によりほぼすべての歯を抜歯。下顎は総義歯(現在は上下顎無歯顎で今後インプラント補綴予定)。23歯周治療における歯の喪失率に関する長期研究

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