支台歯形成のかんどころ
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アポ前のおさらいPOINT対合歯とのクリアランスは適切か?●クリアランスは頬側・唇側からの観察だけでは不十分。●パラフィンワックスを軟化して患者に噛んでもらい、入念なチェックを。対合歯とのクリアランスの適切な値は、全部鋳造冠の�合面では1.0~1.5mm、前装鋳造冠の舌面では0.5~0.8mmである。この値が小さすぎるとクラウンの強度に影響するし、後の技工操作もやりにくくなる。また大きすぎるとその分支台歯の歯冠長は短くなってクラウンの保持力が低下するし、使用する金属の量が増えて重くなり不経済でもある。ただしこの値は�頭嵌合位だけでなく、側方運動や前方運動を行った時にも確保されていなければならない。症例によっては支台歯機能�頭側のクリアランスが、側方運動時の作業側で少なくなることがあるので十分注意して確認する。この時患者に噛んでもらって口腔内を頬側あるいは唇側から観察するだけでは舌側のクリアランスがわかりにくいので、パラフィンワックスを軟化して噛んでもらうとよい。市販されているパラフィンワックスの厚さは約1.3mmなので、クリアランスを確認するにはちょうど良い。硬化したらワックスを取り出し圧痕を観察する。慣れてくると見ただけでほぼクリアランスの量は見当がつくが、初心者はワックス用のメジャーリングデバイスを用い、支台歯�合面部に相当する圧痕の厚さを測るとよい。ただ最後臼歯が支台歯となっているブリッジの症例では、支台歯形成後患者に普通に噛んでもらうと、患側のオクルーザルストップが不安定なため下顎頭が関節窩内で上方に移動し、対合歯とのクリアランスが少なくなりやすいので注意する。そのような場合の対処方法については本章に述べてある。ここに注意6第3か条

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