バーティカルオグメンテーション
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2章 鑑別診断36症例の難易度別分類2章21適応および非適応症例の分類 バーティカルボーンオグメンテーションの適応、非適応の判断には、X線画像による硬・軟組織の診査が重要となる。X線画像とは、デンタルX線写真、パノラマX線写真、CT画像であるが、三次元的に診査が可能であるCT画像はバーティカルボーンオグメンテーションの術前診査には欠かせない。ここでは全身的な適応、非適応の記述はせず、局所的な適応、非適応に限って述べることとする。 症例の難易度別分類では、CT画像による診査項目とそれに対して症例を、難易度Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、非適応に分類する。術前に下顎骨の形態と症例の難易度を把握し、確実な治療計画を立てることは、予知性の高いバーティカルボーンオグメンテーションを成功させるための重要なステップである。 本稿では、臼歯部欠損(第二小臼歯から第二大臼歯)インプラントのためのバーティカルボーンオグメンテーションを前提として、ボーンオグメンテーションする部位のsagittal画像による近遠心的範囲(567の3歯欠損、56、67の2歯欠損、そして1歯欠損)と、cross-sectional画像による歯槽骨頂から下顎管上縁までの距離と歯槽頂骨幅を基準とした難易度判定を行っている。遊離端欠損と少数歯欠損では、隣在歯が正常な状態においては遊離端欠損のほうが難易度が高くなる1~4)。2診査項目 CT(cross-sectional画像)で硬組織および軟組織aからjの10項目を診査し、その項目ごとに難易度をⅠ、Ⅱ、Ⅲ、そして非適応に分類する(表2-2-1)。その中でも特に、g:骨内病変、h:隣在歯病変、j :角化歯肉の幅では厳密な診査が求められ、総合的な難易度判定の重要な診査項目に位置づけられる。この3項目(g、h、j)は術中の偶発症や術後の合併症の原因となることが多く、難易度別判定の診査時に注意しなければならない5)(表2-2-2)。1.山道信之,糸瀬正通.サイナスフロアエレベーション 形態からみる難易度別アプローチ.東京: クインテッセンス出版,2008.2.山道信之,原田武洋,糸瀬辰昌,茂岡優子,糸瀬正通.特別連載: 歯科用コーンビームCTによる下顎臼歯部骨形態の検証 Part1 下顎臼歯部における有歯顎群55、欠損顎群163の比較検討.Quintessence DENT Implantol 2009;16(4):19-26.3.山道信之,原田武洋,糸瀬辰昌,茂岡優子,糸瀬正通.特別連載: 歯科用コーンビームCTによる下顎臼歯部骨形態の検証 Part2 下顎前歯部における有歯顎群、欠損顎群の比較検討.Quintessence DENT Implantol 2009;16(5):11-20.4.山道信之,原田武洋,糸瀬辰昌,茂岡優子,糸瀬正通.特別連載: 歯科用コーンビームCTによる下顎骨形態の検証 Part 3 下顎における垂直的骨造成の難易度別アプローチ.Quintessence DENT Implantol 2009;16(6):39-48.5.Misch CE. Density of bone: eff ect on treatment plans, sur-gical approach, healing, and progressive boen loading. Int J Oral Implantol 1990;6(2):23-31.参考文献

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