歯科におけるしびれと痛みの臨床
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014[手術翌日]起床時左の唇がおかしい? 感覚がない!まだ,麻酔が効いているのかなぁ…洗顔時ビリビリする! 触ると電気が走る!食事がおいしくないなぁ…食欲がわかないなぁ…[手術翌日]患者A:左の唇が変です.しびれていますが…歯科医師B:(パノラマエックス線写真をみながら)レントゲンをみると,インプラントが神経に接触しているようです.一度抜いて,治ったら,また入れましょう患者A:インプラントを取ると,しびれは治りますか?歯科医師B:すぐ取れば,治りますよ そして,インプラント除去術が行われた.症例20△▲年○月●日,B歯科医院にて,患者Aは,歯を失った左側下顎臼歯部に口腔インプラント体1本の埋入手術を歯科医師Bから受けた.1神経損傷後,何が起きるのか 下歯槽神経や舌神経が損傷されると,感覚神経伝導に異常が生じ,何らかの感覚の異常が必ず出現する.インプラント埋入時にインプラント体が下歯槽神経線維を損傷させたとき,損傷部位の組織はどのようになっているのか? どのような経過をたどって神経が回復していくのか? そして患者はどのように感じているのか? ある代表的な症例を提示して,臨床経過を追ってみたい.患者Aの思いB歯科医院にてChapter 1図解 歯科臨床における神経損傷後のしびれと痛み福田謙一

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