新版 1からはじめるインプラント治療 完全マニュアル
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21第1章 正しい検査・診断と患者説明 当院では、従来患者さんへの治療説明は、手鏡やX線を用いてきた。それに加え、口腔内写真や口腔内模型を提示し理解を得てきた。近年、口腔内スキャナ(Intra Oral Scanner;IOS)の進歩・普及から、初診時や術前にIOSを用いることで、口腔内や当該歯の状況を一方向の状況や画像ではなく、あらゆる方向から咬合関係も含め詳細に診ることができるようになっている。 筆者の用いているIOSは「iTeroエレメント5D(インビザライン・ジャパン社)」で、矯正治療では術前から術後のある程度のシミュレーションや、その3Dデータからクラウン・ブリッジの印象・補綴装置の製作のみならず、インプラント治療においてもスキャンボディと呼ばれる光学印象用パーツを用いて、上部構造を作製できるシステムである。 あわせて、口腔内カメラと顕微鏡機能を兼ね備えた、ネクストビジョン(ヨシダ社)を使用し、口腔内や当該歯の状況を4K画像(最大80倍)の鮮明な画像や動画で詳細に説明できる。患者さんの理解を得るのにも非常に有効であり、カウンセリングにも活用している。図1-21a ネクストビジョンとiTeroエレメント5Dを使い、患者さんに口腔内の状況を説明。図1-21b iTeroエレメント5Dを用いた口腔内スキャンの様子。図1-21d 残根の状況・噛み合わせなどもあわせて説明しやすい。図1-21c 口腔内の状況を口腔内カラー写真および近赤外光画像にて多方向から確認できる。口腔内スキャナを用いた診断とカウンセリング

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